AIの自動翻訳技術で「言葉の壁」の解消に取り組む
自動翻訳シンポジウム事務局が、AI・自動翻訳・言語処理などの最新動向を紹介する「自動翻訳シンポジウム」を開催したと、3月29日に発表しました。
3月16日に、オンラインのライブ配信形式で開催された「自動翻訳シンポジウム」では、主催した総務省の総務副大臣・新谷 正義氏が開会挨拶を行い、AIを活用した自動翻訳技術の研究開発、その成果の社会実装を推進し、世界の「言葉の壁」の解消に取り組んでいることなどを紹介。
基調講演では、東京大学教授の松尾 豊氏が登壇し、言語処理につながるAIの深層学習について説明。AIが「言葉の意味理解」へと向かっていることや、脳の中にある「未来を予測するシミュレーター(世界モデル)」をシステムの中に持つことで、脳の機能の説明ができるようになり、医療・教育・社会制度に影響を与える存在になることなどを指摘しました。
「機械翻訳技術の高度化へ必要なこと」についての講演も
基調講演では東京工業大学情報理工学院教授の岡崎 直観氏も登壇。「AIによる言語処理の革命」というテーマで、「深層学習による機械翻訳の進展」や、「機械翻訳技術の高度化へ必要なこと」について講演を行いました。
言語以外の情報も統合したマルチモーダル翻訳や、文脈依存型翻訳が活躍する応用の開拓、学習データ「頼み」の現状から脱却して、実応用に合わせる手法の開発などが必要だと指摘しました。
また、総務省とともに、「同時通訳システム」の実現に向けて協力している国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、システム基盤のTOEIC900点の能力を備えた音声翻訳の制度アップに向け、「翻訳データ」の公的集積所として「翻訳バンク」を運営している。
NICTは、この「翻訳バンク」の現在と今後について、「2021年3月の翻訳バンク」というテーマで、動画を交えて講演を行いました。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
「翻訳バンク」 セミナー
https://h-bank.nict.go.jp/seminars/index.html
自動翻訳シンポジウム事務局のプレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000073951.html