自動翻訳とは?機械翻訳との違いやメリット・デメリットを徹底解説!

近年ではグローバル化の加速に伴い、言語翻訳の需要がますます高まっています。世界的に外国語として英語を身につけている人が増えてきている一方で、英語を母語としない国でのコミュニケーションには現地語の翻訳が欠かせません。

また、英語を日常的に使用しない日本においても、日本人全員が訪日外国人に対して英語でスムーズに対応できる状況を作るのは難しく、日本各地で翻訳ツールが活躍しています。

一概に翻訳ツールといっても、「自動翻訳」や「機械翻訳」など様々な分類に分けることができます。どちらも「機械によって自動的に翻訳が行われる」というイメージを持たれているかもしれませんが、実際には異なった意味を持った言葉になります。

本記事では、「自動翻訳」と「機械翻訳」の違いや、自動翻訳のメリットやデメリットを解説していきます。

自動翻訳とは

自動翻訳とは、一般的に音声翻訳(音声自動翻訳)を指す場合に使われます。ある言語の音声をその場で翻訳し、別の言語を音声として出力するシステムそのものを指します。「ポケトーク」のような翻訳機が自動翻訳ツールにあたります。

自動翻訳を使うことで、使用する言語の異なる人間同士のスムーズなコミュニケーションが可能になります。自動翻訳は、主にリアルタイムなコミュニケーションが必要とされる場で利用されることが多く、近年では飲食店や商業施設で使われるケースも珍しくはありません。

日本国内では2021年開催予定の東京オリンピックに向けて、駅や公共交通機関での小型自動翻訳機の導入が進んでいます。例えば訪日外国人に対して自動翻訳を通して案内ができるようなアプリや端末も出てきており、これらのデバイスを用いることでよりスムーズな案内ができるようになっています。

従来の館内放送や公共交通機関での多言語アナウンス・標識では一方的なメッセージの発信になってしまいがちですが、上記デバイスの登場により双方向での対話が可能となり、その場その場での臨機応変な対応ができるようになりました。

機械翻訳との違い

自動翻訳を語るには、機械翻訳の性質を理解する必要があります。機械翻訳は、人を介さずにコンピューターによって自動的に行われる翻訳のことを指します。「機械によって自動的に翻訳が行われる」という意味では、自動翻訳を「機械翻訳」と置き換えても差し支えないイメージを持つかもしれませんが、そう呼ばないのには理由があります。

実は自動翻訳を行う際には、機械翻訳の技術が使われています。音声の翻訳は、聞いた音声を文字に変換する「音声認識」、次に文字を翻訳する「機械翻訳」、そしてテキストでの翻訳結果を音声として出力する「音声合成」という3つのプロセスで行われます。この全てのプロセスを「自動翻訳」と呼ぶと、機械翻訳はそのプロセスの一部で利用される技術であると言えます。

音声翻訳が使われるのは、人とのスムーズなコミュニケーションと対話を目的とする場合であり、文法的な正確性よりも相互理解を補完する意味合いの方が重要です。人が文法的な修正のために介入しなくてもスムーズな対話が実現できるような「人の介入が最小限の機械翻訳」のことを自動翻訳と表現することができます。

音声翻訳で求められるスムーズな対話とは反対に、文字から文字への翻訳には、特にビジネスの場や公開文書の作成などで「記録として残す」役割があり、文法や表現の正確性においてもそれなりの品質が求められます。

その場合、現時点での機械翻訳の品質では十分でないため、機械翻訳の出力結果を人間の手で修正する必要があります。欧米ではこの修正作業を「ポスト・エディット(後編集)」と呼んでおり、言葉として浸透しつつあります。

音声翻訳など人が修正しない・介入しない機械翻訳を「自動翻訳」と表現するのであれば、文書の翻訳においては自動翻訳ではなく、機械翻訳の表現を使用するのが正しいと言えます。

自動翻訳のメリット

リアルタイムでスピーディーにコミュニケーションが取れる
音声の自動翻訳のメリットは、自分の話す言語とは異なる言語話者であってもリアルタイムでコミュニケーションを取れることです。相手が話す言語が何語かわからなくても、自動で判別しスピーディーに対応することができ、特に接客時や案内時においては非常に便利な機能であると言えます。

複数言語への翻訳ができる
世界各国の言語へと翻訳できるのも自動翻訳の強みです。英語や中国語といったメジャーな言語だけでなく、数十ヶ国もの言語へと瞬時に翻訳できるため、世界中の人々とコミュニケーションを取ることができます。

自動翻訳のデメリット

翻訳が正しくされない場合がある
音声の自動翻訳のデメリットは、特定の言語で使われる固有名詞や日常慣用表現、また複数の解釈が可能な言葉の翻訳が正しくできない場合があることです。また日常会話になると、文章で表現するときの正確な文法よりも砕けた言葉遣いをするケースが多く、そういった俗語を正確に自動翻訳するのは難しい点でもあります。

自動翻訳が活躍する場が増えていく

今後IT化やグローバル化が進んでいくにつれて、翻訳の需要はますます増えてくると予想されます。グローバル化に対応するためにも、企業は多言語化に対応することが求められています。

特にその場で発生するリアルタイムなコミュニケーションにおいては、自動翻訳が必要となってくる場面も出てきます。インバウンド対応が求められる職種には、自動翻訳はとても役に立つのでぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

最新情報をチェックしよう!